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むし歯って何でしょうか? |
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![]() いつの頃からか、食事中に歯がしみる気がしはじめて、 気がついたら穴が空いていた。 たいしたことはないし、今忙しいからとしばらく放っておくと 突然激しく疼き始めた。 食事でしみる・放っておくと痛い・治療も痛い。 多くの方にとって、むし歯はこういうものではないですか? | ||
虫歯を「治し」ましょう、というけれど・・・。 |
「ここに虫歯がありますので、治しましょう。今日一回で治りますよ」 あなたも何度か耳にした言葉ではないでしょうか。 「虫歯を治す」と言う言葉。 本当に虫歯は「治る」んでしょうか? そもそも、「治る」とはどういうことでしょうか? 辞書には 「病気やけががよくなって、もとの健康な状態に戻ること。」とあります。 では、虫歯に対して、歯科医院で私たちが行う治療とはどういったものなのでしょうか。 ![]() まず、虫歯で溶かされた部分を機械的に除去します。 「キーン」とか「ガリガリ」とかいうアレです。 虫歯のところを除去したら、あとは型どりをして 金属を詰めたり、樹脂を詰めたりしていきます。 これが「虫歯の治療」です。 何かおかしいと思いませんか? 虫歯のところを器具でとるのは、言ってみれば「病巣の摘出」です。 では、その後の行為はどうでしょう? 摘出された病巣のあった部位は、 歯が再生しているわけではなく、人工物に置き換えているだけです。 決して「もとの健康な状態に戻」らないのです。 一度、虫歯になって失われてしまった歯質は、 人工的に補うしか、審美的・機能的な回復ができないのです。 虫歯は、「修復」はできるけれども「治る」ことはないのです。 一度進行してしまうと治らない虫歯。 では、何故むし歯はできるのでしょうか? |
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むし歯のできるわけ |
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![]() むし歯ができるには、歯と糖分と細菌、 それに時間という4つの要素が必要です。 逆に言えば、このうちの どれかがない環境では発生しません。 歯は、リン酸カルシウムの結晶であるハイドロキシアパタイトという物質で成り立っています。 このハイドロキシアパタイトはとても堅くて、水晶と同じくらいの堅さがありますが、 酸には弱く、簡単に解けてしまいます。 そして、お口の中の細菌の中には、糖分を分解して酸を産生するものがあります。 したがって、食事中や食後の歯の表面は、常に細菌のはき出す酸で溶かされているのです。 これを「歯の脱灰」といいます。 しかし、ヒトの歯は、酸に解けやすいとは言っても、そう簡単にはむし歯にはなりません。 ![]() むし歯にならない防御機構がきちんと存在しているのです。 それは唾液です。 唾液によって、酸が薄められたり、唾液中のカルシウムが、溶けた歯の表面を修復しています。 「歯の再石灰化」です。 つまり、歯の表面では歯が溶けたり修復されたり、が繰り返されているのです。 下の図は、ステファンカーブといいます。 ![]() 食事をすると、食物中の糖分を利用して口の中で細菌が酸を作り、 その酸で歯が溶かされることは前述のとおりです。 図中の赤いゾーンまで pH が下がると歯が溶けてくることを示しています。 食事によって危険域に達しても、やがては唾液の作用によって pH は上昇して元のレベルに戻ってゆきます。 このことを「唾液の緩衝能」と呼びます。 しかし、下側の図は、頻回に食事を摂取している場合の pH の変化です。 食事を摂取する回数や時間が長いと、 安全域に戻った pH が再び危険域まで下がったり、 あるいは pH が戻りきらない、ということがわかります。 つまり、食事の回数が増えたり、ダラダラ食いのように 「歯が溶かされる」時間の方が長いと、 修復が間に合わず、むし歯が進行してしまうのです。 |
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虫歯の予防 |
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それでは、むし歯にならないためにはどういうことが考えられるでしょうか? むし歯にならない方法を考えるためには、先ほどのむし歯を形成する4つの要素を思い出してください。 つまり、歯・糖分・細菌・時間です。 では、まず歯に対して何かできることがあるでしょうか? 歯の主成分であるハイドロキシアパタイトは酸に対して非常に溶けやすいということはすでにお話ししました。 ではこれを酸に溶けにくくすることはできないでしょうか。 ![]() そのためにはフッ素塗布が有効だとされています。 フッ素がハイドロキシアパタイトに取り込まれることによってフルオロアパタイトになると、耐酸性が向上します。 しかし、全く溶けなくなるわけではなく、また歯の内部まで変化が起こるわけでもないので、非常に有効な方法ではありますが完全ではありません。 ![]() 歯で最もむし歯になりやすいのは、生えて間もない頃は、噛む面の溝だと言われています。 そこで、生えてきた早い段階で、この溝を樹脂で封鎖してしまう、シーラントと言う予防法もあります。この方法も、虫歯予防には有効ですが、絶対にむし歯にならないわけではありません。 次は、食事の回数やダラダラ食いを改善してみませんか? 歯の溶ける時間を短くし、再石灰化の時間が長くなれば、むし歯の発生を抑えることができそうですね。 また、食事の内容も少し工夫できればより効果的です。 あともう一つが細菌です。 ヒトの口腔内は、湿潤で適温であり養分の補給にも事欠かない、という点で細菌の繁殖には好都合です。 また、皮膚にほこりが付くのを完全には防ぐことができないように、口の中から細菌を駆逐することもできません。 しかし、少なくすることはできます。 その一つの方法が、歯科医院で行うメインテナンスですが、それも毎日行うことはできず、せいぜい数ヶ月ごとですね。 プロフェッショナルクリーニングが有効であることはデータによって示されていますが、むしろより大切なのは、毎日のセルフケアにあるといえます。 むし歯にならないために、私たちは直接お手伝いできることは、定期的なメインテナンスと フッ素塗布、それにシーラントですが、食生活の改善や毎日のセルフケア、 といった生活習慣の見直しも、大切なことです。 あなたの歯はあなたのものです。 大切なあなたの歯をまもる、私たちはそのお手伝いを精一杯行いたいと思っています。 |